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実践知を紡ぎ出す養護教諭の事例検討ハンドブック

¥1,980 税込

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「養護教諭による、養護教諭のための、養護実践の事例検討」を論じた はじめての書籍!

(はじめにより)
時代や社会が変化するなかで、養護教諭は、保健室でこれまでとは違った子どもの様子に気づいたり、対応したことがないような問題を抱えた子どもに出会うことがあると思います。
目の前の子どもをどのように捉えて、どのように対応したら良いのか、戸惑ったり、養護教諭としての専門性に悩み、アイデンティティが揺らいでしまうこともあるかもしれません。
しかし、養護教諭が困っていることのなかに、子どもの本質的な問題が潜んでいると思われます。
むしろ、養護教諭の困りごとは、問題の解決や子どもの成長につながる宝の山であると思います。
そのようなときに、仲間や先輩、恩師などと事例を検討し、子どもへの支援について話し合い、事例を通して学ぶことは価値あることと言えましょう。

養護教諭の事例検討は、1960 年代に、子どものヘルスニーズの変化に伴い、保健室における健康相談の仕事が増していき、以後、多くの養護教諭が子どもに対応した事例を持ち寄って検討したり、養護教諭の実践の根拠となる理論を生みだす場として広まりました。
そのなかのおひとり、森田光子氏は、地方に養護教諭のための事例検討の種を蒔き、2021 年10 月20 日に逝去されるまで、各地で行われる事例検討会に参加し続けて養護教諭を支援してこられました。
養護教諭にとって、「事例は日ごとに新しい課題を私たちに提供します。」
「事例を通して学ぶ、事例検討から学ぶことは、仕事を継続する限り半ば義務ではないかと考えています。」
という森田光子氏の言葉が私たちの心に残り、背中を押してくれます。
特に、事例検討で必ず話し合われる養護教諭の「見立て」は、森田光子氏が論じてきたことです。
この「見立て」という言葉を最初に提唱した精神科医の土居健郎氏は、見立ての良い医者になるためには、外科医は剖検、精神科医は症例検討をして、自分の診断が正しかったか、治療は適切だったかを検証することにつきると言いました。
学校では、教諭は研究授業を行います。では、養護教諭はどうでしょうか。
養護教諭は、自らの実践を振り返る事例検討や実践研究を行うことと言えます。
事例検討は敷居が高いというイメージがあるかもしれませんが、実際に、事例検討に参加をしてみて、子どものことや具体的な対応が浮き彫りになり、自身のあり方も見えてきて、事例検討から学ぶことの意義、魅力や奥深さ、心地よさ、力が湧いてくる感覚を知ってもらえることを期待します。
身近な地域で始めてみようと思うきっかけになれば、なお幸いです。
そして、事例検討が養護教諭の実践知を紡ぎ出す場に育っていくことを願います。
関心のある養護教諭の方々を事例検討へとお誘いしたく、皆様のもとに、このハンドブックをお届けいたします。

目次
はじめに

第1章 事例検討会に参加してみよう
1 事例検討会に参加してみよう
2 事例を通して学ぶ、事例検討から学ぶ意義
3 事例検討とともに育つ養護教諭 ─子どもとのかかわりを問い続けた養護教諭のストーリー─

第2章 事例提供者になってみよう
1 事例を提供してみよう
2 事例を書いてみよう

第3章  養護教諭主催の事例検討会に学ぼう ─北から南から、思いを届けます─
1 健康教育学習会 いわき ─専門職としての力量アップをめざして─
2 養護教諭の相談を学ぶ会 土浦 ─困っている現場の養護教諭をみんなで支えあう─
3 ヘルスカウンセリング研究会 ─自分が変わっていく事例検討の進め方─
4 ケース研アドバンス ─事例検討会は、明日から頑張る勇気をくれる─
5 地域保健連絡会 ─地域の中で子どもを育てる─
6 ぶどうの会 ─向上心を支える研究会─
7 山梨相談を学ぶ会 ─共に学び健康相談の力量を高め合う─
8 くびき野養護実践研究会 ─研究会で行ったくびき野式事例検討法の開発─
9 養護実践研究サークル 金沢 ─能動的な研修をしたい─
10 自主学習会 愛媛県八幡浜 ─子どもに学び、事例に学び、仲間に学ぶ─

第4章 養護教諭と事例検討
1 養護教諭にとっての事例検討
2 養護教諭としての事例検討の種類と進め方

第5章 事例検討会での心得と倫理指針
1 事例検討会での心得と倫理指針

第6章 事例検討から紡ぎ出される実践知
1 事例検討会からみえてくる子どもの健康課題
2 事例検討から実践知を紡ぎ出す省察の道筋 ─養護教諭にとっての困りどころは宝の山─

第7章 先達からの養護教諭へのエール
1 「ふだんの対応」こそが健康相談 ─日常の事例を検討する─
2 社会の動きのなかで見る「事例検討」─最近の体験から─

あとがき
編著者・執筆者紹介

著者について
北海道出身。杏林大学保健学部看護学科看護養護教育学専攻教授。
千葉大学看護学部3 年のときに出会った保健室の仕事に魅せられて、養護教諭の道に進む。
現場での実践と大学院における実践研究を経て、千葉大学大学院看護学研究科博士後期課程修了後は養護教諭養成に落ち着く。
現在は、日本学校健康相談学会会長として、養護教諭の行う健康相談(School Health Counseling)の実践知を仲間と共に追究している。

編 著:亀崎 路子/秋山 緑/河野 千枝/古谷 明子
執筆者:笹原 和子/斎藤 裕子/大木 静子/出原 嘉代子
    小佐野登美子/小澤 洋美/角田 智恵美/竹俣 由美子
    谷本 明美/山本 力/山中 寿江/大谷 尚子
イラスト:ヤマモトヤマネ
サイズ:A5判
頁 数:202頁
製 本:ソフトカバー
発 売:ぶんしん出版
価 格:1980円(税込)/1800円+税
発行日:2024年11月1日初版第1刷発行
ISBN978-4-89390-216-0

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